炎上のリスクがあっても「フツーの人」がブログを書く意味はどこにあるのか

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「ツイッターは馬鹿発見器」などとよく言われます。

 著名人の場合、ブログやツイッターは上手に活用すれば、宣伝ツールとしては有効なのでしょうが、一般人の場合、あまりそうした使い道はないようにも思えます。

 そのわりに、勢いで書いてしまったことからトラブルになることもあります。

 そのため、「怖いから絶対にブログもツイッターもやらない」という考えの方も多くいるようです。

 では、宣伝ツールがさほど必要ない一般人の場合、ブログなどをやる意味はどこにあるのでしょうか。

 ニュースのコメンテイターとしてお馴染みの伊藤洋一さんは、新著『情報の強者』で、「アウトプットの重要性」を強調しています。

 伊藤さんは、自身のブログで、その時々に思いついたことや、情報分析の結果を公開しており、先輩の評論家の方には「あんなにブログに何でも書いたらもったいないじゃない」と言われたこともあるそうですが、それでもアウトプットする意味は十分にあると述べています。以下、同書から引用してみましょう。

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伊藤洋一さん

■情報は惜しまずに放出する

 先輩の評論家の方から、「伊藤さん、もったいないじゃない。あんなに出したら」と言われたこともある。

「へえ、そう考える人もいるんだ」と思った。

 しかし、先輩には悪いが、「もったいない」というのは完全な間違いである。

 本当にあなた自身やごく限られた人しか知らないような極秘情報であれば、こっそりとっておく意味もあるだろうが、実際にそんな情報は滅多にない。

 情報はただ頭に入れているだけでは、なかなか使えるものにはならないのだ。

 何らかの形で「使おう」「まとまった形にして出そう」とする気持ちがないことには、なかなか情報をループに取り入れること(※自分なりの見立て、仮説をつくること)も進まないし、また頭の中に留めておくこともままならない。

 これは学生時代の勉強や、会社に入ってからの後輩への指導のことを思い出せば容易に納得できる話だろう。

■知識を自分用にカスタマイズする

 いったん頭の中に入れて、わかった(と自分では思っている)ことを脳の中に整理し、固定化するのにもっとも役に立つのは、「わかっていない」人に教えてあげることである。それをやることで、知識はより自分用にカスタマイズされ、整理される。

 自分でわかった、と思っているだけでは、すぐに忘れてしまう。

「わかっていない」人に順序立てて説明するというのは、ループを作る作業とよく似ている。そうしようという気持ちがその情報の精度を高め、その人の思いを強くする。

 考えてみれば我々一人一人が「情報を得る」という行為を繰り返しているのは、それは「いつか仕事や趣味に活かす」「いつか話す」「いつか書く」という前提で取得しているとも考えられる。

 つまりインプットはアウトプットと常にセットなのである。

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 このような考えをもとに、伊藤さんはもう20年間、毎日ブログを更新しています。そのようにして発信したことへの読者のリアクションから、新しい発見があることも珍しくないそうです。

 もちろん、不要な中傷や、不倫の証拠となるようなことはSNSにアップしないほうがいいのは言うまでもありません。

デイリー新潮編集部

2016年3月11日掲載

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