天からの「0増6減」に不貞腐れちゃった「細田博之氏」

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「天からの授かりものだよ……」

 目下、小選挙区を「0増6減」する自民党の衆院選挙制度改革案が与野党から集中砲火を浴びる中、担当者である細田博之幹事長代行(71)からも、こんな声が聞こえてくるのだ。

「細田さんにしてみれば、安倍官邸に梯子を外されたようなものですからね」

 とは、自民党関係者。

領袖の威信は……

「1月中旬、大島理森衆院議長の諮問機関が、アダムズ方式に基づく小選挙区の『7増13減』を答申した時から、細田さんは定数の削減には反対の立場を示していました。長年、選挙制度改革に関する議論に携わってきた彼の持論は、一票の格差を是正するなら、選挙区の区割りを調整すればいいというもの。ところが2月上旬、かつて民主党の野田佳彦前総理と“2013年までに定数を削減する”と約束していた安倍総理から、舵を切るようにお達しを受けてしまった」

 結果、安倍官邸から下りてきたのが、アダムズ方式よりも簡易的な手法を用いる「0増6減」案だったという。

「2月26日に発表された2015年の国勢調査の速報値を基に計算すると、岩手、三重、鹿児島などの6県が削減対象となる。一方、2010年の調査に基づいていた『7増13減』の答申を今回の調査で計算すると『9増15減』になり、調整範囲が拡大する。これに比べれば、『0増6減』の方がマシというわけで、細田さんは渋々、“天からの授かりもの”を了承しました」(同)

 もっとも、あくまでも答申に基づく「9増15減」を求める公明や野党との調整は、一筋縄ではいきそうにない。

 政治部記者が言う。

「細田さんは、党では幹事長代理でも、清和政策研究会では派閥の領袖。その一員である安倍総理に面子を潰されては、堪ったものではないでしょうね」

 まさに天を仰ぎたい気持ちに違いない。

週刊新潮 2016年3月10日号掲載

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