IS殺害「後藤健二さん」一周忌法要をペット霊園でやった母

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 関係者は、そのニュースを聞いて、あまりのタイミングの良さに驚いたという。イスラム国(IS)に殺害されたジャーナリスト・後藤健二さんの一周忌の法要が行われたのは先月31日。その4日後、義父の石堂行夫容疑者(79)が、出入国管理法違反幇助の疑いで逮捕されたのだ。

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石堂夫妻は何を考えているのやら……

 後藤さんの法要は、東京・府中市にある慈恵院で行われた。遺族の意向で出席者は10名程だった。

 石堂行夫は、後藤さんの実母、順子さん(79)の再婚相手だ。新聞記者が語る。

「行夫は、自らが役員を務める会社でネパール人の男女を雇用していると偽り、彼らが在留資格を得るのを助けた疑いで逮捕されました。280万円以上の報酬を受け取っていたようです」

 本人も容疑をあっさり認めているという。捜査してみたら、容疑者がたまたま後藤さんの義父だったのだ。最も驚いたのは、妻の順子さんのはずだが、こんなことを言う。

「もし、ネパール人の男女に、小学校に通っている小さな子どもがいるとしますね。で、その子が親の在留資格の都合で国に帰らないといけなくなってしまった時、今のまま日本の学校に通いたい、って言ったらどうします? 助けてあげるのが当然じゃないかしら」

 正論だが、法令違反は論外である。さらに続ける。

「私だったら、『力になってあげたら』と言うかもしれない。転んで膝を擦り剥いている子に『お薬を塗ってあげたら』と言うのと同じ。主人は優しいのよ」

■絶縁状態

 順子さんは、後藤さんがISに拘束された際、会見を行い、一躍有名になった。我が子の救出を訴えるのは当然だが、反原発について語ったり、脱線気味の話をしたことで知られる。

 知人が打ち明ける。

「実を言うと、後藤さんの法要が行われた慈恵院は日本最大級のペット霊園なんです。元々、動物供養のお寺で、愛犬や愛猫と一緒に眠りたいという飼い主の要望が寄せられ、ご先祖供養も始めたとか。ペットのお墓は2000基、人間の檀家も100家ほどあるそうですが、後藤さんはペット好きかどうか知りませんし。順子さんの1年前の会見同様、違和感がありますね」

 このお寺には既に、後藤さんの遺骨が戻って来た時に備え、ロッカー式のお墓が用意されているそうだ。

「3年位前に、石堂さん夫妻が購入されたものです。現在、ワンちゃんのお骨が入っていますが、後藤さんの位牌もまつられています。お寺の方も、あれだけ注目を浴びた方の法要を、動物供養を中心としているところでやっていいものかと、石堂夫妻に相談したそうです。どうやら、順子さんの強い希望があったようで……」(慈恵院の関係者)

 後藤さんの兄、純一さんは実母について語る。

「父と石堂順子が離婚して以来、彼女とはここ二十数年、絶縁状態です。後藤家とは関係ありません。健二はクリスチャンですよ。お寺で法要をするはずがない。こういうことに関しては、『もう好きにして』という感じ。行夫が逮捕されたことに関しても、やっぱりなという思い。驚きはありません」

 あらら、お手上げ状態というわけなのだ。

「ワイド特集 浮き世に寒の戻り」より

週刊新潮 2016年2月18日号掲載

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