黒田総裁“4年目”を占う「日銀審議委員」候補の名

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 年始の大発会から株価が乱高下している。証券市場が敏感に反応するのは就任以来、資金投入の“ジャブジャブ路線”を続ける日本銀行の黒田東彦総裁(71)の施策だ。就任4年目に突入する黒田総裁を支える幹部が、この3月末に交代するという。

 日本銀行の最高意思決定機関「政策委員会」は、黒田総裁を筆頭に副総裁2人、審議委員6人から成る。3月末で任期満了を迎えるのは、審議委員の白井さゆり元・慶応大学総合政策学部教授(53)だ。全国紙の日銀クラブ記者の見立ては、

「審議委員の任期は5年で再任も可能ですが、白川前総裁が任命した白井さん“続投”の可能性は極めて低い。白川時代から総裁の“イエスマン”と揶揄されていた彼女が、最近になって黒田さんに批判的な発言をしていますから……」

 すでに、行内では後任の名前が浮上しているが、

「“女性登用”を掲げる安倍政権への配慮もあり、日銀は白井さんと同じ“女性学者”を中心にリストアップしている。現時点で本命と目されているのは、北尾さんです」(同)

 北尾さんとは、慶応大学経済学部の北尾早霧(さぎり)教授(44)を指す。早稲田大学政治経済学部卒の北尾氏は、米・ニューヨーク連邦準備銀行でシニアエコノミストを務めた国際派だ。

「彼女なら経歴も、実績も申し分ないでしょう」

 こう歓迎するのは、証券会社の中堅幹部だ。

「北尾さんの専門はマクロ経済と財政政策で、その分析力には定評がある。昨年、日本経済新聞が優秀な若手・中堅のエコノミストの論文に授与する円城寺次郎賞を受賞しています」

 実は、日銀が彼女に目を付けたのは、これが初めてではないという。日銀関係者が明かすには、

「10年以上前、当時の幹部が北尾さんを日本銀行金融研究所にスカウトしようと試みたのです。その時、彼女は米国留学が決まっていて辞退しましたが、日銀本店に足を運んで深々と頭を下げたそうです。それ以来、行内には彼女のファンが少なくありません」

 2度目の“ラブコール”は実を結ぶか。

週刊新潮 2016年2月4日号掲載

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