1万5000円台もあり得る? 「株安」底値の検討

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 あれよという間に、年初からの連続下落記録を塗り替えてしまった日経平均株価。投資家のお屠蘇気分は一気に吹き飛んだに違いないが、波乱の展開はいつまで続くのか。不安定な中国経済、止まらない原油安……。そして、日銀に対する失望。数々の悪材料が横たわる中、想定される底値とは。

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 なにやら、国外を見渡しても国内に目を転じても良い材料が見当たらないように思えるが……、

「それほど悲観的になる必要はないと思います。世界的なパニックの連鎖に流されて株を投げ売りするのはやめたほうがいい。むしろ、1万8000円を割り込んでいる今は買い場かもしれません」(経済ジャーナリストの福山清人氏)

 それでも無論、中国経済の動向は注視すべきで、

「中国がマーケットをコントロールできているかどうかを見極める1つの指標となるのが、毎営業日、日本時間の午前10時15分に人民銀行のホームページで発表される人民元の基準値です。この基準値が一定の価格帯で維持されていれば、コントロールできている可能性が高い。元安傾向が続く場合、注意が必要です」(同)

 一方、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦氏によれば、円相場にも細心の注意が必要だという。

「今の円高が一過性のものなら問題ないのですが、今後も続くなら企業にとって大打撃になる。昨年のチャイナショックの後、日経平均は9月に一時、1万6901円をつけましたが、今回もそこまで下げる可能性がある。それを下回ってしまうと、底が抜けることになり、怖いですよ」

 エコノミストの中原圭介氏もこう言う。

「今年は、株価が2万円まで回復することはほぼない、と見ています。底値としては、1万5000円台もあり得ると思います。もう黄金の株高の3年間は終わり、これからはリスク管理の期間に入るのです」

 株の不安定な動きに投資家の胸が騒ぐ。そんな申年になるのだろうか。

「特集 お屠蘇気分を吹き飛ばした『株安』底値の検討」より

週刊新潮 2016年1月21日号掲載

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