「金正恩」が病に倒れて北朝鮮の政権転覆 日本列島が蒼ざめる「最悪シナリオ」2016(8)

国際 韓国・北朝鮮

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「突然死する可能性だって少なくありません」

「コリア・レポート」編集長の辺真一氏が言うほど、危機的状況にあるのが、金正恩・第一書記の健康状態である。

 推定で身長170センチ、体重130キロ。BMIは40以上、肥満度4の重症――。日本の病院なら即治療を施されるレベルで、そのボディーは痛風、高脂血症、糖尿病など、生活習慣病の見本市となっている。

「心臓にかなりの負担がかかっているはず。金ファミリーは、祖父の金日成、父の金正日が共に心臓発作で亡くなっていることから見て、病に倒れてもまったく不思議はありません」(同)

 母の出生地・日本ですぐにライザップでも体験した方が良いが、仮に正恩氏が床に臥し、再起不能となった場合、何が起こるのか?

 辺氏が続ける。

「兄の金正哲はエリック・クラプトンの追っかけをするような人物で指導者の器ではないし、妹の金与正もまだ28歳。一番現実的なのは、正日の腹違いの弟に当たる金平日でしょう。しかし、彼だって30年以上前に“権力闘争が起きる”と国外に追い出されていた人物。権力基盤は弱く、クーデターが起きる可能性もある」

 むろん、日本にとって金王朝が崩壊するのは歓迎すべきこと。問題はその後だ。独裁政権のタガが外れた後、内戦が勃発するのはシリアを見ても明らか。そこには当然「難民」が発生する。

 社会部デスクによれば、

「非公式ですが、これまで日本政府は、朝鮮半島有事の際、北朝鮮から日本に押し寄せる難民を10万〜15万人と想定してきています」

 と言うから、島国日本にとって、歴史上、経験のない数の難民と対峙することになるのだ。

「現在、日本は難民1人につき、年間1000万円のコストをかけて支援しています。しかし、15万人受け入れれば、単純計算で1兆5000億。また、その中に武装難民がいる可能性も否定しきれません。要は日本の国のキャパシティを遥かに超えてしまい、国内の大混乱は免れません」(同)

 元気でも、病でも日本にとって脅威であり続ける存在。それが「太っちょの王子様」なのだ。

「特集 日本列島が蒼ざめる『最悪シナリオ』2016」より

週刊新潮 2015年12月31日・2016年1月7日新年特大号掲載

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