『あさが来た』原案作者を「池田大作」創価学会名誉会長が褒めちぎっていた

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 うら若き乙女のサクセスストーリーが人気を博し、NHK朝の連ドラ『あさが来た』は、好調な視聴率を維持している。実は、原案となった小説『土佐堀川』の作者である、古川智映子(ふるかわちえこ)氏(本名・古川(こがわ)ぬい)は、古くからの創価学会のメンバーだった。かつては、池田大作名誉会長が、本部幹部会のスピーチの場で、彼女のことを褒めちぎっていたこともあったという。

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 初回から視聴率20%を突破し、『あさが来た』は昨年後半に大ヒットした『マッサン』と肩を並べるほどの快進撃中なのだ。

 その秘密を、作家の麻生千晶氏が解き明かす。

「波瑠さん演じる主人公のあさは、コケティッシュで可愛らしくもある一方で、商才に長け、男に伍してバリバリと仕事をするという実業家としての面も持っている。そこが、視聴者を惹きつける、ドラマの魅力です。とりわけ、企業のなかで鬱屈する立場に置かれることもある若い女性たちの共感を呼んでいるのではないでしょうか」

 ドラマの原案となった『土佐堀川』は、明治から大正時代にかけて活躍した、女性実業家の草分け的存在である、広岡浅子の生涯を描いている。

 その作者の古川氏のプロフィールを紹介すると、1932年、青森県弘前市の生まれ。東京女子大学文学部日本文学科を卒業すると、国立国語研究所勤務を経て都内の私立高校で教諭を務め、その後、執筆活動に専念するようになったという。

 一方で、

「彼女は古くからの学会員です。作家やジャーナリストが所属する文芸部の一員で、住まいのある地域では婦人部の幹部も務めています」

 と明かすのは、創価学会の古参幹部だ。

「ですから、『土佐堀川』は、うちの潮出版社から88年に出されたわけです。その年に開かれた本部幹部会で、池田名誉会長が“古川さんは、流行作家ではなかったかもしれないが、真摯に、懸命に、文学の道を歩んでこられた。その誠実な生き方に、私の心は共鳴する”と、べた褒めしていました。ただ、彼女はこれまで、学会内でもそれほど知られた存在ではなかったのですが、『あさが来た』のおかげで、一躍、有名人です」

■票集め

 現に、聖教新聞でも、古川氏を立て続けに取り上げている。

 8月8日付の紙面では、連ドラの放送開始に先駆けてインタビュー記事を掲載し、11月4日付でも、創価文化を記念するという文化本部の大会で、活動報告を行ったことを報じた。

 創価学会ウオッチャーの乙骨正生氏が解説する。「学会員である井上真央が主演した大河ドラマの『花燃ゆ』も聖教新聞で大々的に宣伝していましたし、『あさが来た』でも、同様に応援体制が取られたということです。“平和の党”を標榜する公明党が安保法案に賛成したため、学会員には不満が燻っていました。今後、古川さんの存在を前面に出して結束を図り、来年の参院選でも票集めに利用するに違いありません」

 そこで、古川氏に聞くと、

「学会員であるとも、ないともお答えしたくありません」

 ともあれ、NHKに力強い援軍が付いたのは間違いない。

「ワイド特集 日出ずる処 日没する処」より

週刊新潮 2015年12月10日号掲載

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