石破茂が語る田中角栄「先生は“魔神”だと思っている」

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“コンピューター付きブルドーザー”田中角栄の他界から、12月16日で22年を迎える。12月10日発売の「週刊新潮」が掲載する特集「『田中角栄』追憶の証言者」にて、石破茂地方創生相が、父の葬儀を巡る角栄との秘話を明かした。

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 石破大臣の父は、鳥取県知事や自治大臣を務めた石破二朗氏。角栄より10歳上だったが、二朗氏はその人柄に心酔、交流があったという。

「私の父親は1981年の9月16日に他界しましたが、その1週間くらい前に『田中に一目会いたい』と言う。それを田中先生にお伝えしたら、すぐに父が入院していた鳥取市内の病院まで飛んで来られましたよ」(石破大臣)

石破茂

“最後の頼み”として、自身の葬儀委員長の任を角栄に託した二朗氏。が、長く知事を務めた実績ゆえ、葬儀は県民葬となる。結果、その座は現職知事に譲り、角栄は友人代表として弔辞を述べることとなった。

「ところが後日、私が(角栄邸のある)目白まで行ってお礼を言ったら、『おい、あの葬式には何人来たんだ』と聞かれるので、『確か3500人だったと……』と答えたら、すぐに秘書の早坂茂三さんを呼んで、『4000人集めろ! 青山斎場を予約しろ』と言い出しましてね」(同)

 驚く石破青年が、その理由を尋ねると、

「『お前の親父と約束したんだからな。俺が葬儀委員長で葬式をやるぞ』と言うのです」(同)

“魔神”田中角栄

 そうして執り行われたのは、前代未聞の「田中派」による“派閥葬”。葬儀委員長として、角栄は改めて弔辞を読み上げた。

〈石破君、きみとの約束を俺は今日、こうして果たしているぞ〉

「発想力や決断力、いずれも常人の及ばざる類まれなるものがあった。私は、田中先生は人間じゃない、『魔神』だと思っている」(石破大臣)

 石破氏は、これに続く“自身を政治家の道に進ませた角栄の言葉”も「週刊新潮」にて明かしている。その他、鳩山邦夫代議士が語る「地元神社の裏の階段が何段なのか言えなきゃダメだ!」、元衆議院副議長の渡部恒三氏による「小沢一郎とオレの合同誕生日会」なども併せて掲載。未だ色褪せない角栄の魅力を、9ページに亘って特集する。

週刊新潮 2015年12月17日号掲載

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