“多様性の尊重”だから⁉︎ 渋谷区は「ホームレス数」もNo.1

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 ハロウィンのバカ騒ぎで、最も多くの人を集めた東京・渋谷区が掲げるのは、“多様性の尊重”である。

 春のLGBTパレード、同性愛者の集いは恒例となり、条例化で今月5日からは同性カップルに結婚相当の証明書を発行。施策が着々と実る中、こんな現象も明らかとなった。

 東京都がまとめたのは「平成27年夏期 路上生活者概数調査」。ホームレス数の首位を争っていた台東区や新宿区を抑えて、渋谷区がNo.1となったのだ。

「調査は、今年8月3日から7日までの間の内の1日の昼間に行い、道路、公園、河川敷、駅などで、目視による確認を行いました。テントや段ボールハウスの中を確認したり、路上生活者に聴き取りは行っておりません」(都福祉保健局)

 台東区は前年の165人から100人と激減。一方の渋谷区は98人から117人へ。渋面を見せるのは当の渋谷区役所である。

「調査結果の内訳を見れば、渋谷区は都が管理する区域、つまり代々木公園に路上生活者が集中していることになります。昨今の報道で渋谷は全国的に知名度が上がり、昼間の代々木公園は様々なイベントもあって多くの人がいますが、調査の手法上、“こに居ついている方ですか”と声をかけることはできない。リュックサックを背負っているだけでカウントされた可能性もあります。路上生活者の中には、“移動層”といって、新宿など他のエリアを転々とする方もおられますので、今回はたまたま多くなってしまったのでは」

 とはいえ、調査結果が残る過去5年で、渋谷区がNo.1となったのは初めてのこと。偶然と済ますワケにはいかないのではないか。

「渋谷区は独自に、保健師さんに同行して頂き、健康状態の確認など見回りをしています。路上生活者の方へは必要とあらば生活保護申請のお手伝いもしています。ご本人の意思を尊重しておりますので強制はできませんし、すぐに出ていけとも言えませんので」(同)

 ホームレスには、まもなく厳しい冬がやってくる。

週刊新潮 2015年11月19日号掲載

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