みずほ銀行「資産運用ロボ」が教えてくれるコト

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 もしもサラリーマンのあなたが、一念発起して資産形成を始めようと思い立ったら……まず最初に考えることは、その道の専門家に相談することだろう。

 だが、平日に銀行や証券会社の窓口に行こうとしても、営業時間内に間に合うのは難しい。スタートの段階でつまずいてしまうのだ。

 そんな悩みを解消してくれるサービスを、みずほ銀行が10月30日から始めた。その名は“SMART FOLIO"。同行のホームページ上で展開中である。そのトップを開くと、“プロが実践する低コストな投資プランを、〈みずほ〉の資産運用ロボが無料でご提案。”との文章が。ロボ? ロボットがアドバイスする? 

「最近、“フィンテック”という言葉が急速に広がっています。“finance(金融)”と“technology(技術)”を組み合わせた造語で、IT技術を使った金融サービスのこと。その中のひとつが“ロボットアドバイザー”というもので、みずほ銀行の言う“ロボ”とは、これのことなのです」(金融ジャーナリスト)

 ロボットアドバイザーとは、運用目的やリスクの許容度などから運用方針を決め、それに則ったポートフォリオを提案するサービス。

「欧米ではすでに、新事業として様々な企業が取り組んでいますが、日本にはほとんどない」(同)

 みずほ銀行はなぜ、果敢に挑戦したのか。

「“貯蓄から投資へ”という流れの中、私どもは、30代~40代を“資産形成層”ととらえています。この中で、投資経験のない人に、興味を持ってもらうツールとして利用していただきたく、このサービスを始めました。質問に答えてわずか2分ほどで、投資信託による資産形成プランをご提案します。どなたにでも無料で使っていただけるという意味では、邦銀初の試みだと思います」(みずほ銀行)

■7つの質問に答えるだけ

 百聞は一見に如かず、ということで、ロボに提案してもらおう。

 まずは〈リスク許容度診断〉というページで、7つの質問に答える。年齢、45歳、資産運用の目的――4つのうち、〈老後に備えた資産の運用〉を選択。年収は600万円。

 重要なのは、この質問だ。〈経済情勢の変化によって、運用資産に1カ月で20%の損失が生じた場合〉どうするか。全部売却か、一部売却か、保有し続けるか、追加投資かの4択。ここでは保有し続けることにする。

 続いて、100万円を投資した場合のモデルケースで、どのポートフォリオに魅力を感じるか、という質問。上振れと下振れ5種セットのうち、真ん中の89万円~118万円を選ぶ。

 入力を終えたら、〈モデルポートフォリオヘ〉をクリック。すると〈リスク許容度〉〈資産構成比〉〈過去チャート〉〈将来チャート〉〈国別構成比〉について、グラフや図で説明してくれる。

 ここで大事なのは〈資産構成比〉。“SMART FOLIO”は、数ある投資信託の中でも、指数に連動して値動きする“インデックスファンド”への投資を提案するが、“国内株式”や“海外債券”など7つの分類に対してどう分散投資すべきかがわかるのだ。ちなみにこのケースだと、“海外株式”ファンドに資金の38%を割くという結果に。

「インデックスファンドは手数料などのコストが低い。長期保有資産としても安定しているので初心者向きです」(先のジャーナリスト)

 さらに〈具体的なファンドを選ぶ〉のページで投資金額を入力すれば、どの銘柄をいくら買えばいいかまで教えてくれる。ここまで具体的な提案ができるのは、

「投資手法のロジック構築は、機関投資家向けの豊富な提案と納入の実績から導き出しています。今後は資金使途と将来のキャッシュフローを踏まえたポートフォリオを提案する機能や、保険など他の金融商品の追加などもしていく予定です」(みずほ銀行)

 投資はロボに従え?

週刊新潮 2015年11月12日号掲載

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