“今こそソウルへ”という東京都ポスターに掛かったカネ

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〈今がチャンス、ソウルヘお越しあれ!〉と書かれたポスターや広告を、都営地下鉄の車内や駅構内で、見かけたことはないですか?

 まあ一見明らかに、韓国・ソウル観光のPRだとわかるのですが、よーくご覧ください。隅っこに、銀杏マークと“東京都”の文字が。そうなんです、東京都がソウル観光をPRしているのです。

「昨年7月に舛添要一・東京都知事が訪韓した時、朴元淳・ソウル特別市長と交流・協力に関する合意書を締結したのが発端です」(都政担当記者)

 舛添サンの昨年の訪韓と言えば、朴槿恵大統領との会談の際、お辞儀の仕方が卑屈に見える、といった批判が起きたのが記憶に新しいところ。〈都民の90%は韓国が好き〉などとリップサービスさえしましたが、現実は厳しく、日本人の訪韓者数は2013年が対前年比21・9%減、昨年が同17%のマイナスで、今年も減少の勢いは衰えていません。

 ならば観光客誘致を、と考えるのは当然ですが、今回のPRキャンペーン、

「10月11日までの3週間、都営地下鉄全線の車両に中吊りポスターを1310枚。11月1日までの1カ月間、車両窓上のポスターが1320枚。10月18日までの2週間、新橋・六本木・日比谷の各駅に大ポスターを掲出します」(同)

 しかも、です。これら広告の製作や掲出に掛かる費用は、ソウルではなく東京都の予算で賄われているのです。いったいいくら、都民の血税を使っている?

「相手都市(ソウル)との合意がなければ公表できません」(東京都)

 ……。ならば勝手に試算しますと、広告掲出費用は正価で合計795万円。各広告の印刷費などが概算50万~60万円ほどなので、同じ都の事業ということでの掲出費割引を考慮しても700万円にはなるはず。

 12月にはソウルの負担で東京観光PRが行われますが、韓国人観光客数は近年増加の一途。PRにウマ味はあるとは思えません。

 だいたい、昨年7月の訪韓で舛添知事ご一行様11名が費やした都税は、たった3日間で1007万円。

「知事は韓国に肩入れしすぎ、との声が上がっています」(先の記者)

 いったいどこの知事?

週刊新潮 2015年10月22日号掲載

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