デイリー新潮

社会

言論統制の生々しい実態/『戦争と検閲――石川達三を読み直す』

 本書は第一回の芥川賞を受賞した社会派作家・石川達三の『戦争と検閲』をめぐる官と民の攻防の物語である。

 芥川賞受賞の二年後、昭和十二年に支那事変が起きる。石川は自ら従軍取材を希望し、「中央公論」の嶋中雄作社長から「現地報告よりも小説を書く目的で行って貰いたい」と激励される。「現地報告」とは今でいえばルポルタージュ、当時の新聞雑誌には大陸戦線からのその種の記事が溢れかえり、争って読まれていた。

...

記事全文を読む

この記事の関連記事