「革新的な大学」格付けで日本より韓国が上位とは!?

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 此頃ビジネス文書で流行るもの。モチベーションにリノベーション、インキュベーションにイノベーション……訳せば「熱意」「更新」「育成」「革新」なれど、役人や“ビジネスパースン”は欧米流の物言いがお好き。ならば大学の格付けで権威あるロイターが9月15日、初めて発表した「世界で最も革新的(イノベーティブ)な大学100」も無視し得ないはずだ。

 これは特許出願数や承認数、論文の引用回数など10項目からはじき出したランキングで、1位は米・スタンフォード大学だった。

 米国の大学が9位まで並び、全体でも半数を占める結果だったが、日本は9大学が入り、米国に次いで最多。韓国が8大学、中国が清華大学のみであることを見れば、アジアにおける日本の大学の優位は守られているかに見える。

 しかし、トップ10に唯一食い込んだ米国以外の大学は、韓国科学技術院という大学。日本の最高位が阪大の18位で、京大22位、東大24位という数字と較べると、頭一つ抜けている。

 韓国出身の呉善花拓殖大学教授は言う。

「80年代に韓国が、技術立国を目指して国を挙げて設立した大学です。高校からの飛び級進学が可能で、授業料は免除、兵役も免除と、抜群に優遇されています」

 通信アプリLINEの「生みの親」をはじめ、技術系上場企業の創業者が多数輩出する大学でもある。

「それこそスタンフォード大も、ヤフーやグーグルなど、世界最大級の企業創業者を送り出しています」

 とは科学作家の竹内薫氏。

「ベンチャー企業の出やすさがこの格付けでは重要。また、お金になる技術を生むには資金力もものを言う。東大の資産は100億円と言われていますが、ケタが違う。スタンフォード大は2兆円以上です」

 イノベーションでスタンディング・オベーションとなるには彼我の差や大。

週刊新潮 2015年10月1日号掲載

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