だから民主党は危機管理を語れない! 東大卒代議士「吉良州司」が風俗嬢に30万円を払った一部始終

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 国会議員は潔癖であれというつもりは別にないけれど、ここまで情けない“遊び方”をされてはもう仰天である。東大卒の民主党エリート代議士が風俗嬢とトラブルになり、30万円を支払っていた。その一部始終を見てみると、危機管理能力のなさに愕然とするのである。

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 それは、衆院で安保法案が通過して間もない7月22日のことだった。日中の暑さもようやく薄れてきた、夜の10時。東京・白金のさるフレンチレストランで夕食を楽しんでいた客は、時折、個室から聞こえる怒声に眉をひそめていた。

 都内でも有数の高級住宅地として知られる地域だから、店の格調は高い。木目調にしつらえた店内は仄かな灯りに照らされ、穏やかな雰囲気を醸し出している。

 しかし――。

「デリヘル」「本番」「強姦」「警察」……。部屋から漏れ出る声は、そんな店の雰囲気に似つかわしくないことこの上ないものであったのだ。

 店に居合わせた客の1人が言う。

「男性が女性にやりこめられているようなやり取りが聞こえてきました。気になって様子を窺っていると、しばらくして部屋から中年男性と2人の若い女性が出てきた。女性はホステス風の華やかな服装で、明らかに不機嫌そうな表情でした」

 男性が会計を済ませ、3人は店を後にした。こうして平穏が戻ったのも束の間、今度は店の外が喧噪に包まれたのだという。

 先の客が続ける。

「突然、サイレンの音が聞こえ、パトカーが店の前に停まったのです。驚いて外を見ると、先ほどの3人が警官に何やら聞き取りをされていました。声までは聞こえませんでしたが、一目で、男女関係を巡るトラブルだとわかりました」

 瀟洒な街のオシャレな夜をぶち壊したこの男性。客はその「素性」を今でも知らないままだが、彼こそが、件(くだん)の民主党衆院議員・吉良(きら)州司氏(57)。大分1区から当選4回。東大法学部卒で、与党時には、外務副大臣や政務官も務めたエリート代議士、その人だったのである。

■偽名「いなむらてつや」

 政権陥落から3年、苦汁をなめ続けてきた民主党にとって、千載一遇のチャンスが到来している。

 安保法案に新国立競技場問題のダブルパンチで、安倍内閣の支持率は急降下。これ幸いと、民主党は政権に対し、口を極めて批判を浴びせているのだが――。

 一方で、どの世論調査でも民主党自体の支持率は伸びない。自民党の5分の1程度、10%にも満たない低空飛行を続けたままなのだ。

「この党は、国民から完全に愛想を尽かされているということなんです」

 とは、政治部デスク。

「原因はさまざまですが、その一つに与党時に続出した下半身スキャンダルがある。横峯良郎、中井洽、青木愛、田中美絵子……。所属議員が国政そっちのけで愛欲にふける姿に、国民はそっぽを向きました」

 しかし、屈辱の下野を経てもなお、民主党はその教訓を少しも生かしていなかったようだ。それを象徴するのが、冒頭の一件ということになるのだが――果たして一体、何があったのか?

「実は吉良さんは、デリバリーヘルスの女性との間に、金銭がらみのトラブルを起こしていたんです」

 と、警視庁関係者が、呆れながら顛末を説き起こす。

「吉良さんは、地元の大分市に加え、都内の国立市にも奥さんと住む自宅がありますが、白金のワンルームマンションも仕事用として借りている。“事件”の前日の21日夜、彼はこの部屋にいた。そして我慢できなくなったのか、午後11時頃、都内のデリヘルに電話し、『いなむらてつや』の偽名で女性を予約したのです。選んだのは、2時間で3万5000円のコースでした」

 HPによれば、この店は、「在籍する女性のほとんどが巨乳」。明けて22日の0時半頃、吉良氏の部屋をノックした千里嬢(27)=仮名=も、Eカップのバストを売り物にする売れっ子である。

「ここまでなら、いわゆる普通の風俗利用の範囲でした。ところが、吉良さんは、初めて呼んだ彼女に、あろうことか“本番”行為をお願いし、完遂してしまった。さらには、余程、彼女のことが気に入ったのか、携帯のメールアドレスを交換しただけでなく、何と、誕生日を翌日に控えた彼女にお祝いをしょうと、その夜に食事をする約束をしてしまったのです」(同)

 会ったばかりの風俗嬢といきなりデート……。吉良氏は彼女にのめり込んでしまったということであろうし、“その後”への下心があったのは想像に難くないが、もちろんデリヘルだって“本番”は認められていない。金銭を支払って性交を行えば、「売春防止法」に触れる違法行為で、「東大法学部卒」の吉良代議士はよくよくご存じのはずである。

 そしてその夜7時頃、2人は、前述のマンションから徒歩3分、吉良氏行きつけの、先のレストランに足を運んだというのだが、一転、ここでトラブルが起こったのだ。

 関係者が続ける。

「食事をするうちに、彼女が突然、“付き合ってほしい”“父親の借金が300万円あるので肩代わりしてほしい”などと言ってきたそうなのです。更には、“本番行為”についても、急に“嫌だったのに無理やりされた”、つまり、強姦されたなどと言い出した」

 吉良氏にとっては、寝耳に水。ようやく、はめられたことに気付いたのだろうか、激しく反論したけれど、もう遅い。事ここに至った以上は、女性の方が強いのだ。

「彼女は埒が明かないと思ったのか、自分とルームシェアしている友人女性を呼び出して、今度は2対1で吉良さんを責め立てたのです。それでも、吉良さんはなかなかうんと言わない。で、完全にキレた彼女は、いきなり110番通報までしてしまったのです」(同)

 こうして、冒頭のようにパトカーが出動する騒ぎになったのだが、もっとも警察が双方に事情を聞いて明らかになったのは、逆に女性の主張の荒唐無稽ぶりであったという。

「彼女は行為が終わった後、吉良さんに“今日のデート楽しみ”“誕生日プレゼントほしい”“彼女にしてほしい”などとメールを送っているのです。強姦なら、直後にそんな文面を送るワケはない。で、お互いを指導してその件を終わらせたそうです。ただ、それでも彼女は納得しなかったのでしょう。結局、後日、吉良さんが30万円を女性に支払うことで、“示談”を成立させたとのことでした」(同)

 簡単に言えば、吉良氏は性欲に負け、30歳も年下の風俗嬢に手玉に取られたことになる。

 では、こんな人物が仮に再び政府の要職につき、中国に工作対象として狙われたとしたらどうなるだろうか。造作なく、かの国のハニートラップにかかりそうなことは、容易に想像がつくのである。

■今でも連絡を…

 この吉良代議士の経歴を振り返ると、大学卒業後、大手商社の日商岩井に入社し、2003年に初当選を果たしている。

 民主党の元事務局長で、政治アナリストの伊藤惇夫氏によれば、

「会社員時代の海外渡航歴が豊富で、党内では外交や安全保障分野の政策通として評価を受けています。また、選挙に強く、前回の総選挙でも、自民党が大勝する中、選挙区で自民党候補を破って当選を果たしました」

 党内では長島昭久・元防衛副大臣を中心とするグループに属し、「最右派」に位置づけられる議員だ。

 もっとも、先のデスクによれば、

「自分の能力を過信しているのか、議論好きで人を見下すようなところがある。仲間うちでのあだ名は“うぬぼれ屋”でした」

 また、彼がデリヘル嬢とデレデレしていたその時期は、ちょうど衆院から参院に安保法案が送られる谷間に当たっていた。法案を巡る議論は相変わらず喧(かまびす)しかったし、国会の日程こそなかったものの、当の21日の午後には、党の外務・防衛合同部門会議が開かれていた。しかし、彼はその夜、安保法案のことなどすっかり忘れてデリヘル嬢と一戦交え、結果、「夜の安全保障」に大失敗。翌日も翌々日も対応に追われていたのだから、その緊張感と危機管理意識のなさには、目も当てられないのである。

 では、この辺りで当事者の話を聞いてみよう。

 まず、件の千里嬢に電話をすると、

「ごめんなさい。その件は、もう解決しているので大丈夫です」

 と一度は電話を切ったものの、再度やり取りをする中で、ポツリポツリと話し始めた。曰く、

「私は親の借金を返すために、銀座のクラブのホステスと風俗をかけもちして働いています。あの方とは、あることで“誤解”があったので謝ってほしかった。でもそれをしなかったので、ルームメイトを呼んで問い詰めたんです。ただ、結局は私の勘違いでしたし、謝ってくれたからもういい。解決したことですから、その中身は一切、話さないことになっているんです。それにあの方は悪い人ではないし……。今でもまだ連絡を取っているんですよ」

 と吉良氏をかばいつつも、大要、事の経緯は認めるのである。もっとも、彼女、この時点においても、彼を「いなむら氏」と認識していた。その正体が現職の代議士であることを告げると、

「そうなんですか。知りませんでした。でも、あの方、すごいお金を持っていたから……。そうですか、『てつや』はウソなんですね」

 と微妙な反応になるのだ。

 一方の吉良氏はどうか。

 本人の携帯に電話を入れ、質問状も送ったが、梨の礫。その後、ようやく事務所名で回答を送ってきたが、そこには「ご指摘のような事実はございません」の一言のみ。見え透いたウソで逃げきれると思っている辺りに、人物の小ささというものがよく現れているのだ。

 先の伊藤氏も、

「妻帯者がデリヘルを呼んでトラブルになるなど、国会議員どころか社会人として論外です。昨今、議員の質の劣化をひしひしと感じていますが、その最たる例と言えますね」

 と呆れ果てるけれど、いずれにせよ、このような人物がメンバーである限り、民主党には危機管理を語る資格はないし、はたまた政権奪回など、夢のまた夢と言わざるを得ないのである。

週刊新潮 2015年8月13・20日夏季特大号掲載

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