【詐欺師の素顔】騙しの舞台装置は芸能人パーティーだった詐欺師のブラックホール「豊田商事」

国内 社会

  • ブックマーク

 扇動するばかりで薄情な詐欺師集団が、欲望に襟首を掴まれた顧客を飲みこんでいく。あたかもブラックホールのように――。1985年6月18日、永野一男会長(32)=当時=が白昼の凶刃に斃(たお)れるまで、豊田商事は金のペーパー商法で、3万人から2000億円をかき集めた。その騙しの舞台装置として、芸能人が登場するパーティーなどが絶大な効力を発揮していたのだ。

 ***

 刺殺事件から2年前の2月のことである。豊田商事がチャーターした1万トンの豪華客船が、名古屋港を静かに離れた。...

記事全文を読む

Advertisement

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。