82歳実父から殴られて 「3年目の浮気」キーボーの壮絶介護ライフ

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〈3年目の浮気ぐらい大目に見ろよ〉

〈ひらきなおるその態度が気にいらないのよ〉

 そう歌っていた「ヒロシ&キーボー」のキーボー(58)=山田喜代子=が、認知症の父親(82)に襲われるという事件が起きた。そのキーボー、たとえ病気でも“許してあげない”と怒り心頭なのだ。

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 キーボーが襲われたのは7月2日の午後3時50分ごろのこと。

「彼女が家で寝ていたところ、そばで父親が掃除を始めたというのです。止めるように言ったところ、突然怒って襲いかかって来た。“何をするのよ!”と言い返すと、壁に押し付けられ掃除用のモップを振りかざしてきたのです。その角が、こめかみのあたりにぶつかってしまった。思ったより傷は深く、顔は血だらけになったそうです」(地元紙記者)

 身の危険を感じたキーボーはすぐに110番通報。かけつけた浜松中央署員が父親を逮捕した。「介護」が抱える社会問題を見せつけられるような事件だが、それにしても思わぬところで「ヒロシ&キーボー」の名前を耳にする格好になった。

「1982年に出した『3年目の浮気』は130万枚のヒットになりましたが、その後に出した『5年目の破局』『危険なクラス会(7年目の洒落)』はまったく売れずに終わってしまいました。2年後にデュオが解散すると山田さんは浜松市に帰り、地元を中心にソロでライブ活動を行っていたそうです。カラオケの定番になっている『3年目の浮気』の知名度もあって、いまだに引き合いがあるとか」(芸能デスク)

■敢えて告訴する

 だが、常について回った悩みは両親の介護問題だったという。顔にガーゼを巻き傷跡も痛々しいキーボーが明かすのだ。

「まず、母に関していえば脳梗塞が分かったのは、2年ほど前です。その前から自律神経をやられており、歩いているときに尿を漏らしたり、風呂場で脱糞してしまったことも。夜中にトイレに起きるのもしょっちゅうで、喉が弱っているのか吐くときに、下に吐かずに、上を向いて吐くんです。だから用を足した後はトイレの壁一面が吐瀉物だらけになったものです」

 これに加えて負担になったのが、認知症の「要介護1級」に認定された父親の暴力だった。

「前から父親は暴力をよく振るうようになっていました。今回ほどではありませんが、コップを投げられたこともあるし、冷蔵庫を蹴っ飛ばしたりもしていました。私に対しては“何でお前は仕事しないんだ”“何でこんな遅くまで起きているんだ”なんてよく怒鳴る。そのせいで、介護ノイローゼにもなったんです。ある時などは、家の前を猛スピードで走る車や、携帯電話をいじりながら運転している車に向かって、思わず陶器を投げつけたことがあります。介護のストレスがたまっていたんですが、愚かなことをやったおかげで近所の人にも嫌われてしまっています」

 今回の事件でキーボーは、父親を敢えて告訴するつもりでいるという。その理由を聞くと、

「私は父が大好きだったから本当に怖かったし、傷つきました。もう一緒には暮らせないということです。どこかの施設に入ってくれるのがいいと思うから」

 離れ離れになるのがお互いのため、というケジメのつもりなのだという。

「ワイド特集 天地の狭間のドタバタ劇」より

週刊新潮 2015年7月16日号掲載

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