アメリカ×キリスト教×自己啓発/『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―』

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 日本で反知性主義といえば字義どおり「知性に反する」の意で、否定的なニュアンスが強い。まるで勉強しない大学生、パワハラまがいの会社の上司、大衆に迎合するだけの政治家……。当否は別に、そうしたものを不健全な病理と見て退ける態度ははっきりしている。あからさまにいうなら、無教養への蔑みだ。

 ところが本書によると、反知性主義とはもともとがピューリタン到着以降の、アメリカの宗教史を特色づけるかなり特別な言葉であって、単純な「反・知性」を意味しない。教科書が教えるように、アメリカがほかならぬ信仰の自由を求めて建国された宗教国家であるなら、反知性主義の中にこそアメリカの根本精神、アメリカの数々の矛盾を読み解くカギがひそんでいるのかもしれない。...

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