ドレスも写真集もネットで高騰する中国 「プリンセス佳子」フィーバー

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 日本最美公主――。中国のネット上に氾濫するこの言葉の意味は、“日本で最高の美貌を誇るお姫様”である。昨年末に20歳のお誕生日を迎え、ご活躍の場を広げている秋篠宮家の次女・佳子さまの人気は彼の国でも過熱するばかり。ネット通販ではお召しになったとされるドレスや写真集が高騰し、アイドルさながらのフィーバーに沸いているのだ。

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 今年3月6日、佳子さまは成年皇族となったことを報告するため、初めてお一人で伊勢神宮を参拝された。

 純白のロングドレスを身に纏い、玉砂利の敷き詰められた参道を歩む佳子さまの初々しい“プリンセス・スマイル”は、中国の若者のハートをも射抜いたようだ。

 中国事情に詳しいジャーナリストの高口康太氏が振り返るには、

「神社を参拝される佳子さまの写真をネットニュースが報じると、瞬く間に“気品があってカワイイ”“結婚したい!”“清純な佳子公主!”といった書き込みが寄せられた。コメントの総数はざっと1万件。なかには中傷もありましたが、大半は手放しで佳子さまを褒め称える内容ですね」

 その直後には〈世界のプリンセス10人の写真〉という記事も配信されている。各国を代表する王女のうち、誰が最も美人かをネット投票で競う、少々下世話な企画だが、ここでも佳子さまはドバイの王女に次いで2位に輝いた。少なくとも、つい最近まで反日デモの嵐が吹き荒れていた国とは思えない盛り上がりである。

 日本から飛び火した“佳子さまフィーバー”の勢いは今も衰えを知らず、こんな“関連グッズ”まで話題になっているという。北京在住のライターが続ける。

「ネット通販サイト“淘宝”では、日本で3月末に発売された写真集『秋篠宮家25年のあゆみ 佳子さまご成年記念』が250元(約5000円)で取引されています。日本での定価は980円なので、実に5倍近い高値です。さらに、佳子さまが伊勢神宮への参拝でお召しになったドレスも約3万円で売りに出ている。日本でもブランド名は公表されていないので十中八九、偽物だと思いますが……」

■訪中を画策

 注目度の高まりはネット上だけに留まらない。

 佳子さまが国際基督教大学に入学された際には、

「国営放送のCCTVまでもがニュース番組で報じているんです。しかも、キャスターは、“佳子さまは日本で最も美しいプリンセスと呼ばれ、男子学生はすでに彼女のファンクラブを設立しています”と笑顔で語っていましたよ」(同)

 それにしても、熾烈な反日攻撃で知られる中国のネットや国営メディアが、こぞって佳子さまを持ち上げるのはなぜか。

 その複雑な心理について、産経新聞中国総局特派員の矢板明夫氏はこのように解説する。

「中国は世界で最も由緒正しい日本の皇室に憧れとコンプレックスを抱いています。歴代の国家主席も天皇陛下に敬意を払い、一方でその権威を利用することもあった。ここ最近、冷え切った対日外交の打開策として陛下の訪中を希望する声が高まっているのも事実です。それが難しければ、まずは他の皇族を招いて陛下の訪中に繋げたい。中国共産党幹部は“佳子さまなど、若い皇族の方を旅行のような形で招待できないか”と画策しているようです」

 日中両国の擦った揉んだの後始末が、美貌のプリンセスに託される日は遠くないのである。

「ワイド特集 擦った揉んだの後始末」より

週刊新潮 2015年5月28日号掲載

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