カンヌ映画祭へ 「綾瀬はるか」映画の下馬評

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 映画の父・リュミエール兄弟の初上映から120年、コーエン兄弟が審査委員長を務める今年のカンヌ国際映画祭(5月13日~24日)は“映画兄弟の年”と位置づけられている。では映画“姉妹”は通用するか。

「邦画からは是枝裕和監督の『海街diary』が唯一、最高賞“パルムドール”を競うコンペティション部門出品が決まりました。マンガ原作の青春映画がカンヌに出品とは初めてじゃないですか」(業界誌記者)

 吉田秋生原作『海街diary』は、鎌倉に暮らす、長女・綾瀬はるか(30)、次女・長澤まさみ(27)、三女・夏帆(23)の家に、腹違いの妹・広瀬すず(16)がやって来て、同居するなかで本当の家族となっていく物語。綾瀬は三十路の大台に乗ったとはいえ、まるでアイドル映画のような華やかさ。

「そう思うでしょ。でも、よくできた映画ですよ。平成版『細雪』って感じで」

 とは映画評論家の北川れい子氏だ。

「『おっぱいバレー』では頼りなかった、あの綾瀬はるかかと見紛うほど、妹たちの親代わりとなり、気難しい長女の役をこなしています。次女の長澤は冒頭からベッドシーンで発展家の娘、三女の夏帆は屈託のない明るい子、そして四女の広瀬がいい。姉たちに対し負い目をわきまえた演技をしていて、今年の国内の映画賞では新人賞候補でしょう」

 カンヌで是枝監督といえば、『誰も知らない』(2004年)で主演の柳楽優弥が史上最年少で最優秀男優賞、前作『そして父になる』(13年)では審査員賞を受賞するなど、今作で11本目の長編ながら、実に5作(09年の『空気人形』は「ある視点部門」)が出品されている常連だ。今度こそパルムドールといきたいところ。

「大きなドラマがあるわけではないですからね。日本映画の旧き良き時代を現代女優が演じたような作品をカンヌがどう感じるか。ちょっと、難しいかも」(同)

 昨年、香港映画『太平輪』でカンヌデビューを果たした長澤まさみの“下乳ドレス”に勝るおっぱいを綾瀬に期待するしかないか。

週刊新潮 2015年4月30日号掲載

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