文豪・夏目漱石先生と友人たちの“関係性”に萌える 文豪ナイト第一夜が開催

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 東京神楽坂「la kagu」内レクチャースペース「soko」にて「文豪ナイト 第一夜」が開催された。「文豪ナイト」とは「文豪」と呼ばれる文学界の大先生を、ひとりの「人間」として見つめなおし、その愛らしさや切なさをしみじみと味わい尽くすイベント。記念すべき第一夜は学生時代、誰もが親しんだ明治の文豪・夏目漱石が題材。ナビゲーターは作家の三浦しをんさんと漫画家の香日ゆらさん。文豪漱石の人間らしい一面が語られ、大いに盛り上がった。

■漱石はエンタメだ

 三浦さんは漱石の作品は当時の新聞連載小説で、誰もが楽しめるエンターテインメント小説だったと語り、「近代的自我の苦悩」などとアカデミックに難しい文学作品として扱うのではなく、気軽に楽しめるものだ、と力説。作品に潜むユーモアからは漱石の愛らしい一面が伝わってきて、現代でもとても楽しめると語った。香日さんも読んでみたら意外に楽しくサクサク読める大衆小説なんですよ、とその魅力を紹介した。

■弟子や友人たちとの“関係性”に萌える?

 漱石の史実を基にした4コマ漫画『先生と僕』が大ヒットとなった香日さん。漱石との出会いは作品からではなく、漱石自身の人物像に興味をもったところからだったと明かされた。特に友人の正岡子規や中村是公、門下生の寺田寅彦や芥川龍之介らとの交流に興味をもったそう。当時の資料や書簡などから弟子や友人に対する愛情あふれるエピソードがいくつもみつかると語った。

 漱石が家の中では女物の襦袢をガウンのように着ていたことや、若いころ二畳の部屋で友人の中村と暮らしていたこと、「(弟子たちの中で)誰が一番先生に愛されていたか」という文章を書いた弟子もいたことなどを紹介。漱石と友人・弟子たちとの“関係性”に萌えるのも楽しみ方だと二人は語った。

■指さしでタイトルが決まっちゃった

 また漱石の堅苦しい文豪然としたイメージの裏に隠された、気まぐれでユーモラスなエピソードも二人は紹介。

 漱石の新聞連載小説のタイトルのいくつかは、弟子たちに適当につけておいてとの丸投げされたものだったという。『』は弟子の一人が手元にあったニーチェの本を適当に開き、「門」という単語を指さしたことから『門』に決まってしまった、『彼岸過迄』は彼岸前までには連載が終わるだろうから安直に『彼岸過迄』に決まった、など仰天のエピソードが明かされた。

 対談はその後も、超ロマンティスト漱石の「中学生男子レベルの女性観」や、漱石を実写化するなら誰がいい? など熱い話題で盛り上がり、会場は爆笑と感嘆、漱石フェティシズムに包まれた夕べとなった。

文豪ナイト 第二夜」は4月2日。山本周五郎の魅力を語り尽くす。ナビゲーターは漫画家の望月ミネタロウさんとエッセイストの松浦弥太郎さん。

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