「DeNA」球界初の女性オーナーを悩ます中畑監督と球団社長の“一触即発”

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 先ごろ、日本の球界史上初の女性オーナー誕生で話題となった横浜DeNAベイスターズ。いかにも新興企業らしい試みではあるが、球団では目下、中畑清監督(61)と池田純社長(39)の諍いが顕在化。躍進を誓うどころではないというのだ。

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 親会社の創業者でもある南場智子オーナー(52)は、先月16日の就任会見で、

〈毎年優勝争いに絡むチームにしたい〉

 そう抱負を語っていた。が、肝心のチームでは、

「12年の球団発足と同時に就任した中畑監督が、池田社長と犬猿の仲になっているのです」(球団関係者)

 監督は当初2年契約で、順位は6位、5位。昨季は1年契約で5位だった。そんな中、

「昨年9月以降、スポーツ紙に“続投要請へ”との記事が出始めましたが、監督には何の話もなく、しびれを切らして自ら球団に出向いた。そこで社長は、20歳以上年の離れた監督の足元を見るように“やりたいんでしょう”と言い放ったのです。これに監督が“オレも野球人のプライドがある。辞めてやるよ”と言い返し、あわや取っ組み合いになる寸前でした」(同)

 結局は再び1年契約を締結。11月の奄美大島キャンプでは、当事者双方と球団職員らで“手打ち飲み会”まで開かれたのだが、こじれた感情は収まらず、年末にはこんな一幕もあった。

「監督が絶大な信頼を寄せている球団の映像事業部長が、社長と折り合いが悪くなって退職したのですが、その彼が制作したチームのドキュメント映像の上映会で、監督は“オレが社長になったら戻ってこいよ”と呼びかけた。社長との衝突が原因、とファンの前で認めたわけで、傍らの球団幹部は大慌てでした」(同)

 池田社長は商社や広告代理店を経て07年にDeNAに入社。NTTドコモとの合弁会社の社長を経て、11年12月に球団社長に就任した。

「成果主義の世界で育った人らしく自己顕示欲が強い。グラウンドでも選手がアップしている横で職員とキャッチボールをして“肩が強くなったでしょ”などとやるので、“神聖な場で草野球かよ”と、選手の反感を買っています。ムードメーカーで『昭和の体育会系』を地で行くような監督とは水と油で、最初からまるで反りが合いませんでした」

■キューバ人が“火種”

 年が明けても改善されず、

「監督は酔うと常々、社長を“あのガキ”呼ばわりしているほどです。先月も番記者との食事会で“池田が辞めないとチームはよくならない”と、二次会のカラオケの席で突然言い出した。指導者としての手腕には疑問符がつきますが、それでも3年間で観客動員数は42%増、また今回の宜野湾キャンプにも自らの人脈で松井秀喜を呼ぶなど、話題作りの功績は大。こうしたことが、池田社長は面白くないのです」(民放記者)

 第2ラウンドの火種は、昨年加入したキューバ人内野手のグリエルだという。

「社長の肝いりで入団したのですが、昨季は歯茎の炎症で先発を外れ、今季も母国の試合を優先して開幕に問に合わないなど扱いづらい。監督も“いない穴を埋めるのがオレの仕事”と公言していて、起用法を巡り社長が現場介入する時が『Xデー』となるでしょう」

 球団に尋ねると、

「池田は中畑監督やコーチ、スタッフともとても上手くいっていますし、全てまったく事実ではございません」(広報部)

 11年、がんを告知された夫の看病に専念すべく親会社のCEOを退任、2年後には常勤取締役に復帰したやり手女性オーナーは、この難局を乗り切れるのだろうか。

「ワイド特集 風雪の大和なでしこ」より

週刊新潮 2015年2月19日梅見月増大号掲載

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