「ヤマダ電機」に触手を伸ばした「旧村上系ファンド」

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 5%ルール――上場会社の5%超の株式を保有する株主は“大量保有報告書”を、その後1%以上の変動があれば“変更報告書”を総理大臣に提出する義務だ。

 家電販売大手・ヤマダ電機株に関する“大量保有報告書”が提出されたのは、昨年10月21日。以後、この1月22日までに5回、“変更報告書”が提出されている。提出元はシンガポールが拠点の投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメント。

「10月の大量保有報告書の段階で7・32%の株を保有し、その後買い増しを続けた」(経済部記者)

 そしてヤマダ電機は1月23日、議決権比率16・63%を持つエフィッシモが筆頭株主になったことを発表したのだが、実は、

「エフィッシモ代表の高坂卓志氏は、“村上ファンド”でファンドマネージャーを務めた人物なのです」(同)

“モノ言う株主”村上世彰氏(55)が代表だった村上ファンド。2006年にニッポン放送株のインサイダー取引が発覚して村上氏が逮捕され、ファンドは解体したが、高坂氏は同年エフィッシモを設立。

「今はエフィッシモが“村上流”を継承。免許皆伝と言っていい」(ジャーナリストの高橋篤史氏)

 その手法は、

「財務内容の割には株価の低い企業の株を買い占める。そして“モノ言う株主”として注文をつけ、最終的には高値で自己株を引き取らせる、というもの」(同)

 日産車体や学研ホールディングスなどを相手に赫々たる“戦果”を挙げてきたエフィッシモ。新たな“ターゲット”のヤマダ電機は、

「コメントは控えさせていただきます」

 と答えるのみだが、

「エフィッシモが、何らかの弱点をすでに握っている可能性がある」(高橋氏)

 2月5日に第3四半期の決算発表、そして6月の株主総会と続く中、エフィッシモからどんな“モノ言い”が突きつけられるのか。

週刊新潮 2015年2月5日号掲載

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