3年で復旧を果たした三陸鉄道 海外からの支援に地元住民も感動

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 平成23年3月11日の東日本大震災で壊滅的な被害にあった岩手県の三陸鉄道。会社存亡の危機から3年で全線復旧に漕ぎ着けた。

 震災直後から動かせるところから列車を動かし、存続の意志をアピールしつづけ、残りの不通区間の復旧工事を進めてきた。そして4月5日には南リアス線吉浜~釜石間、6日には北リアス線小本~田野畑間が開通し、震災前の姿を取り戻した。やはり「鉄道は列車が動いてこそ鉄道」ということを実感させられた。

望月社長の決意「3年で復旧させる」

 この全線復旧で注目すべきところは、望月正彦社長が震災直後に「3年で復旧させる」と明確な目標を掲げたところ。さらにそれを計画通りに実行してみせたところだろう。社員の苦労も言葉に尽くせないことが多々あるに違いない。もちろん自力だけで復旧したわけではない。

復旧費90億円を内外から調達

 当初は180億円とも言われた復旧費は、第3セクター鉄道が負担できる金額ではない。最終的には90億円余りとなった復旧費は国の金でまかなわれることになった。また海外からの支援もあった。中東の産油国クウェートは日本赤十字を通じて500万バレルを日本に提供。その売却益のなかから12億円が三陸鉄道の復旧へと使われた。
 記念式典には岩手県の達増拓也知事やクウェートの大使、赤十字広報特使の藤原紀香さんらが出席。地元住民も多数集まり、クウェート国旗を手に内外からの支援に感謝をあらわした。

 自力と他力をこれ以上ないという形でコントロールし復旧を果たした望月社長の手腕は、大いに讃えられることだ。

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