ビジネスマンは要チェック! 「とんでもございません」は敬語として正しい? それとも間違い?

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■「とんでもございません」の違和感

「このプロジェクトが成功したのは、○○さんのおかげです」
 などと相手にホメてもらった時に、ついつい出てしまうセリフ、「とんでもございません!」

 普段から敬語を使い慣れている人は、この表現に違和感を覚えるはずです。
 本来ならば、「とんでもないです/とんでもないことでございます」が正しい使い方だからです。

 なぜなら「とんでもない」は形容詞。「ない」だけを切り取って丁寧にした「とんでもございません」は誤用、とされていました。

■正式に認められたのは、つい7年前

 しかし、NHKアナウンス室編『「サバを読む」の「サバ」の正体―NHK 気になることば―』(新潮文庫)によれば、「とんでもございません」は、なんと7年前に「正しい日本語」としてお上のお墨付きをもらったのです。

 2007年、文化庁は「敬語の指針」のなかで、「とんでもございません」は「褒められたことに対し、謙遜して否定する場合の言い方としては、問題がない」と発表しました。

 そもそも、「とんでもない」の語源は「途でもない」「途方もない」である、という説があります。「途・途方」とは、「手段・方法」という意味の名詞。
 この説が正しいのであれば、「とんでもございません」も間違いではない、という根拠になりますよね。

■誰が「正しい日本語」を決めるのか

 もっとも、文化庁がそんな指針を出したのには、もっと大きな理由があったようです。

 2007年からさかのぼること4年、2003年に文化庁が行った調査では、約7割の人が「とんでもございません」という言い回しは「気にならない」と答えたからです。
 誤りとされたことばも、世の中に浸透することで、ついには正しさを勝ち取る、という顕著な例がここにあります。

「ことば」とは、常に進化しつづける生き物のようなもの。おかしな敬語とされている「~でよろしかったでしょうか?」や、「ワタシ的には」などといった言い回しも、いつのまにか「正しい日本語」になっているかもしれません!?

デイリー新潮編集部

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